冗談ではすまない、チェルノブイリの真実!
とりあえずこの番組は2時間スペシャルで放送すべきだった。
ありがちといえばありがちだが、危機管理とかそういった概念が
全くなかった関係者。
それもそのはず、放射能とか放射性物質について、
彼らはあまりにも無知だったのである。
「風が吹くとき」というアニメ、もしくは絵本を読んだことのある人が
どのくらいいるかわからないが、
一般的な人間の、核に対する認識はあのレベルなのだ。
東宝の「世界大戦争」だって、
レベルとしてはまだまだ甘いと言わざるを得ない。
核物質及びその廃棄物が与える影響がどのようなものなのか、
本当は高校の物理あたりできちんと教えているはずなのだが、大抵は知らない。
いや、物理でなくても、核爆弾が使用されたという歴史を教える世界史で、
核物質の影響を教えてもいいはずなのだ。
ところがその辺は、なぜかおざなりである。
半減期とか核分裂とか連鎖反応とか、放射線による生物の遺伝子の変化の様子とか、
そういったことは私に言わせれば、常識として知っていなければおかしいことだ!
なのに「バケツでウラン」とか信じられないことがまかり通ったりする。
チェルノブイリの原発事故は、事故ではない。
事故というのはもっと生易しい事象に対して使うべき言葉ではないのか?
何しろ原子炉そのものが爆発して吹っ飛び、炉心融解の上になおも続く核反応。
何百万という人間が被爆しているにもかかわらず、旧ソ連政府がそれを隠蔽しようという、
まさしく国家ぐるみの犯罪行為。
放射能が外国にまで達したために、やっと「事故」のあったことを公表するという
……こんな国、崩壊してよかったと皮肉をこめて言うしかない。
だが、これと似たようなことは日本政府も、名だたる大企業も平気でやっている。
無知と意識の欠如が生み出す、愚かとしか呼びようのない事件・事故。
我々は、いったい何度同じことを繰り返さないと過去に学ぶことができないのだろう?
と、呆れながら視聴した1時間であった。
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