『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』

これを読んでいると、なぜか泣けてしまう。
理由は……たぶん、登場するキャラクターの心がわかるから、なんだろうなあと想像する。
アニメで見ているときには想像できなかった心情が、安彦氏の絵によってよくわかるのだ。
ということは、これはマンガだからこそ可能なことである。
集団作業になってしまうアニメというものが両刃の剣であるとはいまさら言うまでもないが。
それにしても、これは安彦氏の解釈によるのかもしれないけれど、フラウボゥはアムロのことが好きなのだ。
根拠？見ていればわかる。あれは女の子が好きな男の子にやる行動そのものではないか。
いや、行動がどうとかより……しぐさとか表情とか……。
とにかく好きなら好きと言えとおっしゃる方がいるが、世の中そう簡単にいくのなら、だあれも苦労しないのだよ。
にもかかわらず、当のアムロはなんとも鈍感ではないか。あれではフラウボゥがかわいそう過ぎる。
そりゃあハヤトのほうに流れてしまう気持ちもわかる。
……こんなことを書いたが、人のことは言えない。
　
最近疑問に思うことがある。アムロは、サイド７に侵入したザクの攻撃で
母親と祖父を亡くしてパニックになるフラウボゥの頬をはり、逃げることを促すのだ。
正直『あれ？』ってなもんである。
極限状態に、咄嗟にそんなことをガールフレンドに向かってやれる男というのが、他人との関係を作るのに
苦労するものなのだろうか？……するかもしれない。
他人との関係といっても、それはいろいろな種類のものがある。
言ってしまえば友達を作るのと恋人を作るのとでは、やり方が違うのだ。
とはいうものの、フラウの頬をはっているアムロが、それほどに不器用であるのだろうか？
しかもブライトに殴られて『親父にもぶたれたことないのに！』と甘えてみせるというのがよくわからない。
それともそういうキャラクターなんでしょうか。アムロ・レイって、単なる自閉症キャラで片付けていいのだろうか。