※楽宴からの転載です。
ブックレットを開くと、彼女の言葉があった。
「夢。私の夢。それは歌うコト。」
7年という歴史が、今の彼女の想いがつまった言葉だった。
プロデュースはたいせー。
つんく♂はスーパーバイザーである。
楽曲はオリジナルだが、そのイメージは
今までの「オサヴリオ」「パラディノメ」に連なるものである。
まさに物語の始まりを予感させる「未来図」で幕を開け、
彼女自身の作詞によるポップな曲「歩いてゆこう〜未来へ」を
経て、改めてそのゴージャスさを意識させられる「ドアの向こうでBellが鳴ってた」へと続く。
4曲目の「情熱のトビラ」はちょっと「コーヒールンバ」風フラメンコの世界。
「真珠貝」は地中海の底を思わせる曲。
「私の中にいて」は別れの朝を連想させる。それも闇から徐々に明けていく朝。
そこには前向きな決意が見てとれる。
もし彼女の交信内容がわかるなら、きっとこんなことを考えているのかも?と
感じさせる「旋律」。
そしてもはや言葉のいらない「エーゲ海に抱かれて」。
「世界でいちばんきれいな星空」は、思い出の中の恋人への追憶である。
決して派手ではないが、その雰囲気が心地よい。
個人的になぜか「ラストキッス」のPVを思い出した「真冬の円舞曲」。
しかし寒々とした印象ではなく、暖かさを感じさせる。
「さよならまでにしたい10のこと」は、ぜひ舞台上での歌唱を聴いてみたい。
元気のないときに聴きたい「ありふれた奇跡」で、このアルバムは幕を閉じる。
さあ、もう一度1曲目から聴いてみようか……。
ブックレットの最後
「Special Thanks to:愛する人達・愛してくださる方々」
の言葉がニクイ。