初聴はテレビだった。
PVも見た。
番組での曲披露も見たのだが、どうにもイメージが固定しなかった。
それもそのはずで、私が見た限りではフルサイズで曲を紹介したものが
ひとつもなかったのだ。
PV(の一部)を見て「これはプチ中澤裕子路線か」と思った。
そう思った瞬間、次にどんなカードが切られるのかがわかってしまったかのようで
面白味を感じなかった。
「もうそろそろバラードは飽きたんだけど……」なんて言いたくもなった。
そんなこんなで入手日に至ったわけだが、フルサイズで聴いてみると
前後のつながりが唐突だったり突然だったりした部分が、
ひどくまっとうに作られていることがわかり安心した。
曲の描いている風景を想像するうちに、それが懐かしのキャンディーズの「微笑がえし」に
酷似していると気がついた。
手堅さという点では、近作中もっとも確実な曲ではないかと思う。
テレビでの披露では「鼻をかんだら」の歌詞が突出している感があったが、
よくよく見ればその前に「涙拭いたら」というフレーズがあって、
それと対になっていることに気付かされる。
決して藤本美貴イメージのパロディではない、とあえて書いておく。
(だってメインの歌詞に最後の部分のリフレインだけ唐突にくっつけたら
曲のイメージが台無しになるだけだと思うんですがね……。
そしてテレビでの曲披露はこの形だったはずなので、聴いてるほうも戸惑ったのでは?)
本当、酷い編集形態での曲披露しかさせてもらっていないので、
番組プロモーションだけでこの曲を判断するのだけはやめてほしいと切に願う。
この曲の真価はCDサイズを普通に聴いてみないと絶対にわからないはずだから。
それにしても「スッピンと涙。」というタイトルが出てきた経緯がよくわからない。
曲中のワンフレーズにしか過ぎないと思うのだが……。
C/W「もしも終わりがあるのなら」は友達同士だったはずなのが、
いつの間にか恋人になってしまったという、少女マンガの短編を読んでいるかのような印象。
しかし、曲のつながりに散漫さを感じるのは私だけだろうか?
一貫したテーマ性を求めるべき曲ではないと判断するのなら、
これでもよいのかもしれないが……。