私がこの作品を見たのは「ビデオテープ」というメディアだった。
昭和の時代にすでにレーザーディスクを導入していた私は、だから早々に「ビデオアニメ」からは撤退し、
もっぱらディスクを買っていた。
今でもビデオテープのまま見ているアニメなんて
「戦国魔神ゴーショーグン時の異邦人」と「11人いる!」くらいだろう。
そんなわけで、この作品も何年ぶりに見たのやら。
今年は平成18年。「メガゾーン23」が発売されたのが昭和60年。
少なくとも10何年かは見ていなかったわけですなあ。
作画的には、今のデジタル全盛のものと比較すると「???」でございます。
いや、私自身も、こんなに汚いものだったとは驚きでした。
「トップをねらえ!」でさえ今でもそこそこ見られる絵だというのに、これで定価14800円だっけ……
いくらなんでもボリ過ぎだよなあ、などと無責任なことを言ってみる。
でも、ここに描かれているのは、間違いなく「昭和60年代」の若者であり、渋谷や原宿の生態であり、
私もそういった世界と時代に生きる若者のひとりであったわけです。(てか10代だったし)
根拠はないけれど漠然とした明るい未来を信じていた、いや、信じられた、そういう時代でした。
バブルの前で円高不況とか言われていたけれど、理系に進めば一応の就職はできたんです。
だからそういった時代背景を思い出して、なんとなく泣けてしまうという
……オサーンのノスタルジー誘起作品と言われてしまえばそれまでですけれど。
まだ未来を信じられる、そういうパワーがあった時代をそのままアニメにした作品、それが「メガゾーン23」です。
そういえば千代田の……なんだっけ、九段会館か! 行ったよなあ、イベントがあったから。
なつかしー。
スタッフ見ると、今の若い子って驚くんじゃないかなあ?
石黒昇?銀英伝の人?とか、結城信輝が参加してたの?とか、なんでこんなところに庵野秀明が?とか、
私らの世代にしてみれば当たり前のスタッフなんですがね。
でもこの作品、もしレンタルビデオ屋で見かけたら、ぜひ見てほしい。
そうだよ、昭和60年代ってこうだったんだよ!と言いたくなることうけあいだから。
昭和を知らない子はこれを見て「昭和ってこうだったんだ」って感じてください。
ロボットが出てきて美少女が出てきてベッドシーンもあって……の向こう側に、熱く生きていたかつての若者の想いが
ぎゅっと濃縮されてつまっています。
富野由悠季もたがみよしひさも壊れていなくて、宮崎駿も若かった、そんな時代の息吹を感じてください。
私もちょうど高校→大学の頃だったかなあ?
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