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劇場版「宇宙戦艦ヤマト」

基本、DVDしか出ていないし、LDよりはDVDで見たほうがストレスたまらないと思います。
ただ本編は別の意味でストレスがたまるのですが。
 
模型雑誌やアニメ雑誌に「復活篇」の記事が出るのはある意味当然かもしれないが、
一般の雑誌にまで広告が出ているのは、明らかにメジャー化を狙った戦略でしょう。
……狙ったところで中身がショボければ、誰にも見向きもされなくなりますが。
 
かつての「宇宙戦艦ヤマト」のテレビシリーズは惨憺たるありさまで、ゴールデンタイムの放送でありながら
平均視聴率は6%を切るという体たらくだった。
裏番組に「アルプスの少女ハイジ」や「猿の軍団」があったとはいえ、これはありえない数字である。
そんなわけで全39話の予定で始まった「ヤマト」は第12話の製作中に路線変更が決まり、
本来ならばヤマトを助ける謎の海賊船とキャプテンハーロックが登場するはずだったにもかかわらず、
それらはオミットされ、21〜24話は本来のストーリーのエッセンスだけを取り入れた打ち切り向けのストーリーに
変更されたのである。
結局は26話をもって終了、「ヤマト」は永い眠りにつくかと思われたが、ファン活動が次第に活発化、
一般の人の間でも再放送を見た層から火がつき、とうとう昭和52年8月6日、
東急系で映画版が公開されることになった。
だが実はこの劇場版の制作自体は突然始まった話ではなく、プロデューサーの西崎が
海外に「ヤマト」を売ろうとしてそれ用の劇場版を作っていたことに由来する。
海外版を作りながらも国内での人気が上昇してきたことを知った西崎は劇場版に着手し、
2〜3種類の「ヤマト」に関するフィルムを制作していた。
それは一部雑誌によればイスカンダルにヤマトが到着したところでエンドマークが出るもの、
イスカンダルからの帰路を中心として描いたもの等が存在したと言われる。
最終的には舛田利雄によって編集されたものが劇場版として陽の目を見たのである。
大雑把に言えば前半1時間強に「冥王星での地球艦隊全滅〜ヤマト発進〜ワープテスト
波動砲による浮遊大陸粉砕〜冥王星前線基地破壊〜太陽圏との別れ〜オリオン座アルファ星〜ドメル将軍登場」
をまとめている。
まとめすぎていて、つながりが悪く、テレビシリーズを見ていなかった者にはよくわからない部分も
あるのではないかと思われる。
何より「ヤマト」らしさが完全に削がれているのは最大のマイナスである。
古代守の死は完全に無駄死にであるし、このことに関しては真田どころか弟である古代すらまったく触れない。
なんと薄情な!(笑)
従って古代が「兄を見捨てた」沖田に徐々に心酔していく過程(あるいは成長の軌跡)が描かれることもなく、
どうして古代が艦長代理になったのかの説得力も画面からは感じられない。
一部シーンなどはナレーションで説明し、クライマックスのみを映像で見せるという形を取っているのだが、
だったら最初から戦闘シーンはそうしておいて、もっと「ヤマト」らしいシーンを入れることを
考えるべきではなかったのか?と思うのだが。
こうなったのには理由がある。編集を担当した舛田利雄は、テレビシリーズの「宇宙戦艦ヤマト」の実制作には
全然かかわっていないのだ!企画段階でのストーリー構成に協力しただけである。
監修として毎回オープニングに名前が出ていただけの人に編集を任せた西崎は何を考えていたのか?
だから私は機会があれば言うのである、劇場版なんか見ても「ヤマト」の魅力はわからないから
テレビシリーズを見ろ、と!
 
映画後半はテレビでの打ち切り用に作られたドメルとの決戦とガミラスとの本土決戦が軸になっている。
打ち切りのための、本来のストーリーとは違うものがメインなのだ。
ゆえに観客は後半戦闘シーンばかりを見せられることになる。正直嫌気がさしてくると思うのだが。
(この延々と戦闘シーンが続く構成は「さらば」以降にも見られ、「完結編」になると戦闘シーンなんか要らない
という気持ちになってくる)
とにかくガミラスでの本土決戦で、この映画では戦闘シーンは終わり(デスラーデスラー艦で
ヤマトを追ってくるという展開はみごとにカットされている)、あとはイスカンダルへと思っていると
度肝を抜かれる。なぜならスターシアは死んでいるのだから。
とにかく時間がないからと放射能除去装置を積み、ワープにワープを重ねて(重ねたような描写はないが)、
ついにヤマトは銀河系へと帰還する。沖田艦長が死ぬ。エンドテロップである。
なんだろうなあ、この忙しない作品は?
これで感動したとか言ってる人間がいたら、精神的にどこかおかしいと思うぞ、オレは。
この強引な起承転結のつけ方については白井佳夫さんとかも批判しているのだが、それには触れない。
(知りたい人は「ガンダムセンチュリー」に書いてありますので、それを参照
……って、復刻版にも載ってるかなあ?)
 
が、実はこの作品はこれで終わらなかったのだ。
なんとテレビ放送時だったか再公開時だったかに、スターシア死亡のくだりが、そっくりテレビの25話に
差し替えられてしまったのである!
つまりスターシアは死んでいなかったことに変更されたのだ。
理由については西崎がスターシア死亡の展開を気に入らなかったからとも、続編の「新たなる旅立ち」に
話がつながらないからとも言われているが、真相はよくわからない。
しかしねえ、結局は「新たなる旅立ち」(西崎義展総監督作品)でスターシアを殺すんでしょ?
何のための変更なんだか、よくわからん。
ちなみにオリジナルの「スターシア死亡編」はビデオ素材を残して、フィルムは処分されたといわれている。
作品に対する愛とか、本当にあるのか西崎は?
(って、普通は思うでしょ、本人がどんな美辞麗句を並べても行動が伴っていないんだから)
 
そうするうちに時は流れ、ビデオソフトが一般的に販売される時代になった。
現在はスターシアに関する二つのストーリー(生存しているか死亡しているか)を、視聴する際に選択できるので
劇場公開時に近い状態での鑑賞が可能になっている。
 
と長い前振り(ええー?)を書いたところで本編の感想なんかを。
BGMがね、使い方がなってません。
どうせやるならテレビシリーズでの使い方に準拠したものにしてほしかった。
テレビとほとんど同じ絵を使っているから、当然ここではこのBGMが流れるだろうと思っていると、
その期待は裏切られます。「ヤマト」では期待という言葉は裏切られるために存在するのです。
あと映像をどうにかせい、と。
「ヤマト」というのは、テレビシリーズは35ミリフィルムで撮影されたものをテレビ用に16ミリに落としたのだと
言われている。つまりテレビシリーズのフィルムをそのままつなげても劇場公開できるだけのクオリティが
最初からあったわけだ。(作画の乱れとかそういうものはこの際考えないものとして)
ところが、これは聞いた話だが、劇場版の新作カットは16ミリで撮影されたものを35ミリにしたらしい。
だからそこだけ粒子が粗く、見ただけでテレビからの流用か新作かがわかるという、
あんまりありがたくない見分けができる作品なのである。
音のほうは極力ノイズ取りをしてもらうとして、映像ね、HD画像での鑑賞に耐えられるだけのものがあるとは
言い切れない苦しい状況なので、強力なHDリマスタリングでもやってもらうしかないだろうなあ。
いい加減に作っていたツケが今になって回ってきた、そんな感じだろうか。
 
ああ、そうそう、戦艦大和の出撃シーンのBGMが軍艦マーチなのは昔見たら大笑いでしたが、今見たら
……「この選曲をやったやつ、音楽的センスゼロだわ」ってのが感想です。
「ヤマト」はミュージカルだとか、「銀英伝」の音楽の使い方はなっていないとか、どの口で言うんだろうね?
まあ、いつものハッタリでしょ。
「復活篇」を見た観客に、いつものごとく失笑されないといいですね。

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