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愛蔵版「機動戦士ガンダム THE ORIGIN XI」

 
ガンダム」は「ヤマト」があってこそ
生まれたのだという。
それはかなりの部分で真実である。
ただし「ガンダム」は「ヤマト」を見本にはしても
「手本」にはしなかった。
「ヤマト」の優れた部分は優れた部分として認めつつ、
ファンでさえフォローもできない、どうしようもない部分は
反面教師として受け取ったのである。
それをさらに安彦良和は再構築し、半ば子供向けロボットプロレスアニメの残滓のあった原作を、
大人の鑑賞に真に耐えうる読み物へと昇華させたと思う。
これは時代の要求であり、必然であったと考えられるのだ。
正直この「THE ORIGIN」が始まったとき、私は「ヤマト」が「ガンダム」に完全敗北したことを悟った。
「ヤマト」には、このように物語を再構築して語り直す人間がいなかったからだ。
「ヤマト」という作品には驕りがあった。
「愛」などという、受け取りようによってはどうとでもなる、それこそ人間のエゴイズムの発露と
言い換えてもいいようなものを大上段に掲げ、それがあれば世の支持を受けるという思い込みだけが先走り、
結果として劣化を続けていく作品に堕していくことに、愚かにも気がつかなかったのである。
だから「ヤマト」は完結と銘打ったのち、30年近くも市場から忘れ去られることとなった。
 
改めて「THE ORIGIN」を読んでみる。
そこにおける再構築の手法が何かに似ていることに気付かされた。
そう、「宇宙戦艦ヤマト2199」である。
「ヤマト」が「ガンダム」をお手本にして、新たに物語を紡ぎ出そうとしている。
そう思ったのだ。
それは栄光の作品とのぼせていた、かつてのお偉いさんたちとは一線を画す態度である。
現状認識をした上で、一敗地にまみれた作品が再びのし上がろうという姿勢を見たのである。
「ヤマトから学ぶことは、もう何もない」、そう言って安彦良和は絵コンテ依頼のあった完結編の仕事を
断ったという。
逆に「ヤマト」こそ、ほかの作品から学ぶべきことがあったのではないだろうか?
それゆえの「2199」なのだ。
ガンダム」という芳醇なる世界に心を遊ばせながら、ふとそんなことを感じたのだった。