「プッチベスト」に見るハロー！プロジェクト

　
何の気なしにプッチベストの曲目を見ていて、
だんだん昔にさかのぼっていくと、
ハロー！プロジェクトが全然（狭義の）アイドルじゃ
なかったことがわかって興味深い。
やっぱりもともとアップフロントは音楽事務所であり、
得意なのは普通のポップスやフォークやロックで、
アイドルに関しては門外漢だったんだなあと実感する。
アイドルっぽくなったのは、実は2008年からではないだろうか。
アルバムとしては「プッチベスト9」。
この前年までの曲の並びはモーニング娘。が筆頭で、そのあとにソロメンバーの曲、
そしてそれ以外のユニットの曲となっていた。
ところがこの年から一変する。
モーニング娘。のあとにBerryz工房と℃-uteが並んでいる。
モベキマスの形ができつつあり、そこを主軸に
ハロー！プロジェクトを再編しようとする意図が見えてくる。
この年にモーニング娘。が発表したのが「リゾナント ブルー」。
そしてこの前年、後藤真希がハロー！プロジェクトから離脱している。
はっきりいってこの時期の後藤真希は精彩を欠いていて、
もはやエースどころかお荷物になりさがりつつあった。
（本人のやる気がまったく見えなかったこともあるし、心ここにあらず、なようにも見えた）
そしてそれと入れ替わるかのようにベリキューの成長が著しさを見せていた。
なるほど、モーニング娘。プラチナ期は、ハロー！プロジェクトにとってもプラチナ期だったのだ。
ここがターニングポイントであり、それまでソロメンバーに注いでいた力を
ベリキューに向けた結果が今になって現れているかのようだ。
後藤真希が弟の不祥事をきっかけに事務所を切ったのか、それとも事務所に切られたのか。
それはわからない。
しかし彼女が加入したことで加速したハロー！プロジェクトは、
皮肉にも彼女がいなくなったことで再生への道を歩み始めた。
　
たぶん、それが答えだ。