※このページはGoogle Chrome、uBlock Origin、画面サイズ(ピクセル)1920×1080、色温度9300Kで表示確認をしております。

※本文中の画像に関しては、制作会社、肖像権者、テレビ局、所属事務所等に著作権があります。

※本日記での画像使用は著作権の侵害を意図したものではありません。

※登録内容に問題がある場合は、プロフィールのアドレスまでご連絡ください。(こちらの状況によって返信が遅れる場合があります)

※「名無し」、「通りすがり」等の捨てハンでメッセージをいただいても基本的に削除します。

※意味不明なコメントをいただいても承認しません。

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーション(アフィリエイト)を含みます。ご了承ください。

●This page has been tested with Google Chrome, uBlock Origin, screen size (pixels) 1920 x 1080, and color temperature 9300K.

●All images in this document are copyrighted by the production company, portrait right holders, TV stations, and their offices.

●The use of images in this diary is not intended to infringe any copyrights.

●If you have any problems with your registration, please contact me at the address in my profile.

(Reply may be delayed depending on the situation here)

●If you send us a message with a "nameless" or "just passing by," we will basically delete it.

●Comments that cannot be determined to be of normal mental status will not be approved.

●This blog contains promotional (affiliate) links to products and services. Please be aware of this.

ヤマトへ来たれ!(2年前の転載)

※これは某掲示板に私が投稿したものの再掲です。
 
以下は大阪サンケイホールで行われたイベント「ヤマトへ来たれ!」のレポである。
時に西暦2001年2月10日。
 
日本は大きいのだ。
そして果てしないのだ。
酒なんて……あったけど呑まなかったのだ。
名古屋へ行っても、京都へ行っても、おまえに買ってやるお土産は……買ってるひまがなかったのだ。
 
このテのイベントには珍しく、定時に始まりました。
 
私のメモをもとに、松本先生のお話から。
 

くもとちゅうりっぷ

いわずと知れた(?)、日本アニメーション映画の大元祖ともいうべき作品。
なにぶん戦時中のことであり、全国公開ではあったものの、上映期間はたったの一週間。
当時松本先生は、明石の劇場でそれを見たという。
あるとき手塚治虫先生が松本先生に
「きみはどうして『くもとちゅうりっぷ』みたいな作品を描くんだい?」
とたずねた。
「5歳のときに明石で見たんです」
「ええっ! ぼくもそこで見たよ!」
なんと、日本のアニメブームの立役者ともいえる人たちが、
もしかしたら同じ時を共有していたかもしれないという可能性。
それを思うと、運命とはなんと不思議なものであるのか。
 

パラパラマンガ

といってもダンスのことではない。
アニメ少年(少女はどうなのだろう?)なら、おそらくはやってしまうものであろう。
いちばん分厚かった解析の教科書にパラパラマンガを描いては友だちに見せていたという。
ところが首根っこをつかまれた。先生に見つかったのだ。
「なんだこれは」といわれた松本少年、自作のパラパラマンガを見せる。
すると。
「本当に動いてるじゃないか。よし、おまえがマンガ映画を作ったら、それにオレを招待しろ!」
と許してくれたのだとか。
しかし、その先生はその後音信不通。
なんとなく「銀河鉄道999」に登場する「真理子の蛍」のフライヤさんを連想してしまった。
 

自称・日本三大アニメマニア芋ヅル式事件

手塚治虫
石ノ森章太郎
松本零士
この三人のところに、刑事がドカドカと乗り込んできた!
容疑は不法所持。
な、ナニを!?
 
そのころアメリカの業者から訴えがあったらしい。
日本にヤミでフィルムを売るところがある。違法に商売をしているらしい。
で、その業者が吊るし上げられ、顧客のところにも手が回った。
いずれは映画やアニメを作ろうと考えていたお三人、フィルムや機材を大量に買いこんでいたわけであった。
「チミ、これはナニに使うのかね」
「はあ、映画を撮ろうと思いまして」
「ナニ映画! それはもしやナニをナニするような」
「そんなことはあらしまへん! マンガ映画の実験でして、はい」
「ナニ、マンガ映画の実験!……そうか、それなら仕方ないな。がんばってください」
「はあ」
「ここだけの話だがねチミ、ワガハイも好きでね、デズニー」
「お言葉ですが、それはディズニーでは……」
と、かなり創作が混じったが、そのようなことがあったそうである。
 

鉄腕アトム誕生秘話

電話が鳴る。
「松本くん、手塚です」
「先生!」
「やあ、どうもどうも。実は撮影中にうちの機材が壊れてね、きみのところの機材を貸してもらえませんか」
「それはかまいませんが」
「やあ、助かった。ありがとう」
そのときに撮影していたのが「鉄腕アトム」であった。(会話の部分は私の創作です)
「それじゃ、先生の機材がなかったら、日本のアニメの誕生は遅れていたかもしれませんね」
「それはどうだかわかりませんが、試写には間に合わなかった可能性はありますね」
 

『ヤマト』キャラクターの秘密

真田志郎の秘密」
真田志郎にはモデルがいる。
学生時代の教師である。
名を瓜生というらしい。
瓜生、ウリが転じてヘチマとなり、それを縮めて「ヘチ」が誕生した。
しかし。
「おまえ、またオレを悪役にしたな」
「すんまへん」
「すまんで済んだらケーサツは要らんのだぞ」
「はあ、次は必ずイイモンで出しますんで、先生サマ」
というわけで、ヘチに髪の毛をつけて誕生したのが真田志郎なのだった。
 

コスモクリーナーの秘密

「コスモクリーナーDのDとは何ぞや」とは、以前某所でも話題になったが、Dはdestroyerの意味であった。
放射能を除去するというよりは、破壊し、打ち砕くのであろうか?
「空気中の放射能を破壊し、同時に猛毒性の酸欠空気を作りだし、
その上で浄化してしまうラディオアクティビティ・デストロイヤー……放射能除去装置です」
↑これはウソ
 

宇宙波動理論

簡単に言えば、アインシュタインの閉じた宇宙論に基づく考え方で、
宇宙の一点をつつくと、それが全宇宙に波として伝わるというもの。
当時九大研究室にいた松本先生の弟さんに「解析せよ」と出したところ
「あながちウソとはいえない」との回答をもらい、それ以来使っているとのこと。
この考えに従うと、宇宙の一点で起こったことは全宇宙に影響が波及することになる。
つまり地球の問題ではないから放っておいてもよいとは言えなくなってしまう。
(作品世界にこの裏づけがあれば、不確かな情報でもヤマトが出撃するのは当たり前と解釈できる)
またワープに失敗すると「ヤマトだけでなく、この宇宙全体が吹っ飛ぶかもしれません」というのもわかる話なのだ。
 

遠く時の輪の接するところ

閉じた宇宙論に従うと、時間も空間も果てがなく、閉じた輪として考えられる。
そうだとするなら、いちばん遠い未来とは、たった今通り過ぎた過去である。
私自身がこのことに触れたのは、「マンガ少年」誌上に連載されていた「ミライザーバン」の劇中の台詞からだった。
PART8の部分にあたる。
(奇しくも、この回が掲載された「マンガ少年」の特集記事は、なんと「宇宙戦艦ヤマト」であった……。
映画公開前のことである)
「ヤマト」の初放送から26年以上。多くの方が鬼籍に入られた。
ジョディ・フォスター主演の映画「コンタクト」の冒頭で、地球から遠く離れた宇宙空間で、
過去の時代のラジオ番組を受信するシーンがある。
波動宇宙理論やワープを解析すると、未来へは行けるが、過去にはどうやっても戻れない。
しかしワープをして、時間を超えたはるかな宇宙であれば、
「コンタクト」の冒頭シーンのように、過去と出会えるかもしれない。
あるいは大未来へ行けば、かつて通り過ぎた時間へと戻り、またかつての仲間と再会できるのかもしれない。
そのようなものではないのかと、私は理解したい。
 

郷ひろみ

男おいどん」の映画化の話があったが、なんと主演を郷ひろみにするという。
「冗談じゃないよ。そんないい男を主演させるなんて。映画化はしてほしいけど、郷さんにも何の恨みもないけれど、
それではあの短足ガニマタインキンタムシの主人公を支持してくれたファンを裏切ることになる」
そういうわけで、この話は流れてしまった。
実は古代進も、当初は「おいどん」だった。
しかしプロデューサーがいい顔をしない。スポンサーもいい顔をしない。
「もっといい男にならないかなあ、郷ひろみみたいな」
また郷ひろみである。
しかたがないので、松本流ハンサムキャラに落ち着いたという次第。
 

『ヤマト』大惨敗

51話分のストーリーを作り、ハーロックまで登場させる予定だったが、低視聴率の前にあえなく沈没する。
理由は裏番組。そう、「アルプスの少女ハイジ」だった。
「なにしろ私も好きだったくらいの作品ですからねえ、よりにもよって、その裏番組に決まってしまったから」
松本先生、実は隠れハイジファンであった!
 

『さらば』への思い

キャラクターは殺すために生み出すわけではない。彼らは自分の子供たちなのだ。
松本先生の反対の理由とは、まさにそこに尽きる。
どうやら「さらば」のような展開自体をやるつもりではなかったのかと思えるのだが。
その辺は不明。なにしろ「さらば宇宙戦艦ヤマト松本零士シノプシス案」というのは、完全な形では世に出ていない。
だが、少なくとも自己犠牲に対しての否定もしないと思うのだ。
「ザ・コクピット」等を見ていれば、それを感じずにはいられない。
 

新・ヤマト

「新・宇宙戦艦ヤマト」とは、過去のヤマト、いや、過去のSF的作品への反省にたったものである。
大宇宙船を宇宙に飛ばすほどの文明を持った高等生命体同士が、
宇宙で出会って、途端にドンパチをするものだろうか? そうではないはずなのだ。
争いがあるとすれば、それは生きるために仕方のない場合である。食物連鎖の相克、決して善と悪とではない。
(と言われてしまうと、パート1と「さらば」以降の作品の何が違っているのかがよくわかる)
そして、昔の「ヤマト」では表現し切れなかったことが山ほどある。
先の51話分のストーリーのために作ったものも、ストックとしてある。それを今後描いていく。
昔「ヤマト」をつくったときは36歳だった。外国にも行ったことがなかった。
しかし今は、世界中至る所に行っている。そのときの経験がある。地球で起こったことの風刺としてほかの星を描く。
見てきたようなウソを描く。
恐らくは死ぬまで続けることになるだろう。
 
 
これだけ書けば、ある程度松本先生の言いたかったことは伝わるのではないかと思います。