恋愛戦隊シツレンジャー

※楽宴からの転載です。
　
個人的には
作曲：タケカワユキヒデ／編曲：田中公平
ならば、諸手を上げて大絶賛であっただろう。
何しろタイトルが「恋愛戦隊シツレンジャー」なのだ。
ついでにコスチュームデザインが出渕裕なら、
もっと歓迎だ(核爆)。
　
派手なイントロ。この前に
「科学戦隊ダイナマン」（作詞：小池一夫／作･編曲：京建輔）ばりに
「シツレンジャー！！」とコールが入っていればもっとよかったと思う。
しかし曲そのもののイメージは、同じ東映特撮でも「不思議少女」シリーズの
「ちゅうかないぱねま」の主題歌「タマゴより難しい」（作詞：石川あゆ子／作･編曲：本間勇輔）を
想起させるから面白い。
こちらはサックスが印象的な曲だが、「シツレンジャー」にはそんな部分が欠落している。
残念無念！
（ちなみに本間勇輔といえば、そうです〜、「古畑任三郎」の音楽担当です〜）
　
と、ヲタ向けのつかみはこのくらいにして。
　
もし「後浦なつみ」のシングルが「LOVE LIKE CRAZY」のみだったらどうなっていただろうか？
この曲は凄いことは凄いのだが――おそらく10インチなり12インチなりのスピーカーで
音を浴びるように聴いたほうが「クル」曲だろうし、のみならずリスナー自らも
曲に合わせてダンスをしたほうが曲への接し方としては絶対によいと確信している――、
ボーカルが後浦なつみであることの必然性が薄いように思われる。
あえて言うならあまりにも後藤っぽいのだ。真希色なのだ。
（何色だよ！ってツッコミはナシで）
つんくが本気で高いモチベーションを持って後藤真希の曲を作ったらこうなるという
見本のようなものだと思う。
後藤真希のアルバムの中の一曲だと言われたら、たぶん私はそれを信じてしまうだろう。
そのくらいに後藤パートがはまっている。
だからこの曲こそ、実はPVが不可欠ではないかと思うのだ。
ボーカルが後浦なつみであるということを視覚的に刷り込むためにも是非。
何しろ確固としたビジュアルが、頭の中に沸いてこないのである。
無理に連想しようとすると「ごまっとう」の変形（発展？）になってしまう。
　
そこで「恋愛戦隊シツレンジャー」である。
このあえてファンを挑発するかのような曲をA面に持ってきたことでうまく釣合いが
取れたように思える。
そのタイトルとは裏腹に、歌詞をよく見ればいつものつんく節であることがわかる。
こちらは安倍なつみのアルバムに入っていても違和感がない。（個人的に）
そのくらいに安倍パートが全体を引っぱっている感がある。
「戦隊」「シツレン」という「記号」が与えるイメージがジャケットと相まって、
ビジュアル的にも訴求力はあると思う。
却ってPVは要らないのではないかと思わせるくらいに。
直球過ぎてキャッチャーも取れない剛速球の「LOVE LIKE CRAZY」に足りないところを
補って余りある曲である。
　
実はタイトルがタイトルなだけに発売前は「シツレンジャー」に期待をしていた私だが、
いざフタを開けてみたら「LOVE LIKE CRAZY」にはまってしまったという次第である。
PVもこちらのほうが楽しみだ。
各メンバーのアレンジバージョンを聴いてみたいのも、こちらである。
　
それにしても、松浦亜弥とは何者なのだろう？
この２曲における意味がよくわからないのだ。
浮いているというのでもなければ、調和がとれていないというのでもない。
だが違和感をおぼえる存在である。
やはり巷間言われるように、松浦はどこまで行っても松浦だから、だろうか？