続編といっても「完結編」以降の話である。
「完結編」によって「ヤマト」は終了させるという宣言がなされてはいたが、それは表向きであり、
数年してほとぼりが冷めたら、乗組員を全員入れ替えて、また適当に理由をつけて
「ヤマト」を復活させようという目論みは西崎義展の中に「完結編」制作中からあったらしい。
(この部分、豪華本にしっかり明記されている)
実は「ヤマト」の制作に関するよからぬ噂というのは、すでに「完結編」の時点で業界に広まっていた。
石黒昇、安彦良和、スタジオぬえ、藤川桂介、そして松本零士に至るまでスタッフが逃げ出したのは
とある理由があってのことなのだが、それについては書かない。
とにかくスタッフが「ヤマト」に嫌気がさし、続編制作にあたってスタッフが集められないという
異常事態になっていた。
それはともかく、続編を作ろうということでアニメ関係者の多くが西崎の元に集められ、
アイディアを出してもらえないかというオファーがあったそうである。
たとえばガイナックス。たとえば首藤剛志。
しかし多くの関係者はこれを断った。
理由は簡単である。
「今度の『ヤマト』はきみたちの自由に作ってくれていい」と言いつつ
「ただし、これから言う条件だけは守ってくれ」と、山のような注文が出てきたそうだ。
その注文に忠実に作品を作ったら、今までの「ヤマト」と全然変わらないじゃないか!
……それを感じ取ったからこそ、関係者は参加を拒んだのである。
正直なところ、私自身も最初のテレビシリーズ以外は「宇宙戦艦ヤマト」であると認めてはいない。
とにかく西崎がプロデューサー兼スポンサーであることをいいことに、
作品世界を破壊していく様をリアルタイムで体感し、もういいよという気分になっていることは確かだ。
もう「ヤマト」という名前で新作を作らなくてもいいと思うのだ。
たとえば松本零士先生が新作をやりたいというのなら
「(『ヤマト』に嫌気がさして)よっぽど『まほろば』に変えようかと思った」という言葉通り、
「超時空戦艦まほろば」を使って新作を作ればいいと思うのである。
だから……もうどうしようもない状態になっている「ヤマト」は、見捨てるべきではないだろうか。
それも「ヤマト」のファンであれば真っ先に見捨てるべきだったと思うのだが。
「まほろば」を宇宙に飛ばして、それで初期案のストーリーを展開させれば、誰も文句は言っては来ないだろう。
しかし、なんで突然こんなことを書こうと思ったのだろう?
謎だ。
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